災害からの復興までのステップ、どんな風に日常に戻っていくのか

最近、大規模な災害が多くなってきました。2011年には東日本大震災が発生し、直近では2018年には平成30年7月豪雨災害で岡山や広島を中心に大きな被害が発生しました。災害が起これば多くの死傷者が生まれ、生活の再建が大きな課題となります。生活再建までに時間がかかればかかるほど、被災者には大きなストレスがかかってしまいます。

今回は、災害が発生してから生活や町が日常に戻るまでにどのようなステップを踏んでいくのかについて解説していきます。被災直後は、先が見えなくとも、大まかな復興までのステップがわかることで力になることを願っています。

災害発生から復興までの3ステップ

災害が発生してから復興するまでには大きく分けて以下の3つの段階があります。

  • 緊急期
  • 復旧期
  • 復興期

緊急期は命の安全を守り、一人でも犠牲者を出さないことを最優先にする段階です。緊急期の後は、必要な手続きを行ったり、片付けを行う復旧期に移ります。そして最後には、生活や産業を再建したり、地域コミュニティを強くするための取り組みを行う復興期があります。

ここからは、それぞれの段階について詳しくみていきましょう。

緊急期

災害が発生した直後は、犠牲者を少しでも出さないように、多くの人命を救い出す必要があります。一般的には、緊急期は発災後72時間と言われています。72時間をすぎると人命救助の確率がガクンと下がってしまうためです。

この段階では、ご近所での声かけの他にも、自衛隊や警察、医師などの特別な専門家が大きな役割を果たします。やはり、人命を守る仕事というのは危険度も専門性も一段と高くなります。特殊な訓練を積んだ専門家の存在感が一段と高くなる段階です。

また、災害の規模が大きければ大きいほど、どの程度の被害が出ているのかを正確に把握することが難しくなります。そのため、この段階では、各地の情報を収集し、ニーズを調査し、ボランティアセンターを開設する準備を行います。

復旧期

復旧期では、一通りの安全確保ができた上で、がれきや土砂の片付けなどが始まります。この段階は、最もボランティアのニーズが大きくなる時期でもあり、ボランティアセンターも正式に開設されます。

しかし、災害によっては安全の確保がなかなか困難で、ボランティアが立ち入れない部分も多く、迅速な復旧やインフラの回復が勝負になるタイミングでもあります。また、ボランティアの数も発災直後から3ヶ月から半年ほどで激減する傾向があります。実際、東日本大震災や熊本地震の時は、約半年ほどでボランティア数が半分になりました。

この段階では、行政は災害からの復旧計画を策定し、堤防を増設したり砂防ダムを作ったりといった工事を行います。また、り災証明を発行し被災した方々への支援が始まります。家を失った方向けに住居の支援を行うこともあります。

災害の規模が大きいほど、復旧期が長引くことが多く、避難生活が長引いてしまう傾向にあります。そのため、健康面、精神面で少しずつストレスやダメージを受けてしまう方々が多くなってしまいます。インフラの復旧だけでなく、心のケアも非常に重要になります。

復興期

復興期は、一通りの片付けも終わりある程度の落ち着きを取り戻す時期で、生活や産業を再建したり、災害で負った心の傷をケアしたりといったことが行われます。行政では復興計画や災害からの復旧作業を行うことで、インフラの整備を行います。

復興期において一番大事なことは、同じ災害が発生しても、同じ被害を出さないためにソフト面やハード面を改善していくということです。

ポイント

災害発生時から段階を3つに分けるとさまざまなことが見えてきます。ここではポイントを3つに絞って紹介します。

それぞれの段階で必要な支援は異なる

各段階に分けてそれぞれの時期で何が起こるのかについて考える理由は、各段階でどのような支援が必要なのかを考えられるからです。例えば、緊急期に地域再建の話をされてもピンとこないはずです。緊急期では、とにかく命を守ることが最優先だからです。

各段階で何が起こっているのかを大まかに理解しつつ、必要な支援を考えることが大切です。

地域ごとに進捗に差が出てくる

この分類は全ての地域に一様に出てくるものではありません。災害によって受けたダメージの大きさによって、そこからの復興にもムラが出てきます。そのため、ある地域で復興期を迎えたとしても、ある地域では復旧期がまだまだ続くといった状況になる可能性があります。

全ての地域を一緒にしてフェーズを区切ってしまうことは、地元に住む住民や支援する団体などにとって大きな負担にもなりかねないので注意が必要です。

事前の対策も大事

災害は忘れたころにやってくると言いますが、災害が起こる前の対策も大事になります。復興期では次に同じような災害が起こった時に被害を抑えることができるのかといったことも大きなテーマとなります。

災害による被害がなぜ大きくなったのか、どのようにすれば被害を防げるのかといったことを深く考えて事前の対策を練っておく必要があります。

参考文献

内閣府(2016)『復旧・復興ハンドブック』

広島市, 広島市社会福祉協議会(2016)『災害ボランティアハンドブック』