新卒でNPOに就職したい人が確認すべき5つのポイント

2018年時点で、大学生や大学院生の就活は3月頃から説明会が始まり、6月頃から面接などが本格的に始まります。新卒のみなさんにとって、就活は今後の自分の人生のことを考える機会になり、なかなか心休まらないものではないでしょうか?ところで、新卒で就職したい職場としては企業や公務員がメジャーですが最近では、NPO(民間非営利組織)への就職を検討している人も増えているようです。今回は、新卒でNPOに就職を検討している人に向けて、検討すべきポイントをまとめてみました。

1:なぜNPOでないとダメなのか?

最近は社会に貢献したいという若い世代が増えてきているようです。もちろん新卒の学生にもこのように考えている人もいることでしょう。しかし、社会貢献=NPOというのは少し考え直した方がいいかも知れません。

社会貢献を何とするかは人それぞれですが、言わずもがなこの世の全ての企業は、少なくても現状では、必要とされているからこそ存在出来ていて誰かの役に立っているわけです。ある意味これも、社会貢献ですね。「社会に貢献したいから」ではなく「どのように」社会に貢献したいのかの方がずっと重要なのです。

NPOは手段であり、目的ではありません。新卒のあなたがしたいことや実現したいことを叶えられるのはNPOに就職するという手段だけではないかも知れません。

2:事業に貢献できるだけのスキルを持っているか?

多くのNPOは人材育成の仕組みを持っていません。これは組織の発展性を考えるとあまりいいことではないですが、現状ではそこにいる人たちでできることが、実質組織でできることということになってしまいます。このことは言い換えれば、NPOに入ればできることが自動的に増えたり、それを支援する仕組みがある訳ではないと言うことです。一般的に多くの企業では、新卒を採用した後、多くの時間とお金をかけて人材育成を行い、ビジネスの前線に送り込みます。これは新卒に必要なスキルを身に付けさせるためのリソースを持っているからできることです。

もちろん、一心不乱に何かをやっていけばスキルは付いていくでしょう。このようなワイルドな状況下でも自分のスキルを自分の意思で磨いていけるかどうかが重要になってきます。

NPOは人材的にも財務的にも余力があるところはほとんどありません。そのため、NPOには即戦力が求められています。すぐに事業に貢献できるだけのスキルを新卒の時点で持っていて発揮できるかといった観点で考えてみる必要はあると思います。

3:そもそもNPOのことをどれだけ知っているか?

NPOは非営利組織の略ですが、非営利という仕組みについてやなぜ非営利組織が社会に必要なのかといったことをどれだけ理解しているかも大事なポイントです。既に、書いているようにNPOは手段でしかありません。NPOという手段を使って何をするか、何を実現するかが大事な訳ですが、それにもその手段について精通していないと使いこなすことはできません。

少なくても非営利とはどんな仕組みなのか、非営利組織を支える仕組みにどんなものがあるのかなどといったことは知っておかなければならないでしょう。このサイトでも以下のような記事で解説しているので、ぜひのぞいてみてください。

ソーシャルセクターとは何だろうか?
この記事では、慈善団体や社会的企業と呼ばれるソーシャルセクターという組織について解説しています。まずは概要から知ってみることは必須事項でしょう。

営利と非営利の違いを正しく知っていますか?
この記事では、営利と非営利の違いについて解説しています。このどちらについても明確に説明できる人は、ひとまず基本は抑えていると考えてもいいと思います。

NPOってどう稼いでるの?主な財源を大紹介!
NPOは多くの財源を効果的に組み合わせることで、事業を行なっています。どのような財源があるのかを知ることは、NPOについて知ることにもつながります。

社会的インパクト評価とは?基礎知識を徹底解説!
最近、NPOにも成果が求められるようになってきました。その成果を測定して価値判断しようというコンセプトが社会的インパクト評価です。背景知識としてぜひ知っておくといいと思います。

コレクティブインパクトとは?社会変革を加速させるアプローチのキホン
この記事では、多様な主体(企業や行政、ソーシャルセクター)が連携して、共有されたビジョンの下、時間をかけて本質的な社会課題の解決を目指すアプローチを解説しています。比較的新しい考え方ですが、視野を広くする上で参考になると思います。

4:「新卒で就職」でないとダメなのか

NPOには会員になる、ボランティアとして参加するなど多くの関わり方があります。もしも、NPOに就職したいという気持ちが何かの社会課題への気持ちからきているのであれば、このような他の関わり方でも実現できるのではないかという視点で一度考えてみるといいでしょう。

また、将来的にNPOにスタッフとして関わるとしても、ひとまず新卒の段階では一般企業で何かのスキルを磨きつつ、ボランティアなどを方法でNPOにも関わる。そして数年後、身に付けたスキルを引っさげてスタッフとして事業に参加するというステップを踏む人も現状たくさんいます。このようなプランを持つのであれば、今後どのようなスキルが求められるのかを知ってそれを集中的に磨いていくのもいいでしょう。

5:10年後の自分のイメージは湧いているか

働くことは、自分の人生をどのように歩んでいきたいかに大きく関わります。そのため、少し長い5年、10年、20年という時間軸で考えた時にどれだけイメージが湧くのかはとても大切な観点になります。

自分のキャリアや、もっと広く人生のビジョンを持てているかについては、NPOで働く上で重要な視点になります。特に20代での選択はその後の人生に大きな影響を与えます。一旦、落ち着いて考えてみるといいでしょう。

まとめ

最近では、自己犠牲でも感情的にでもなく、冷静にNPOが就職先として認知されることが少しずつ増えてきました。その一方で、決して安定した職場は多くなく、むしろ人材を使い潰してしまうこともあるほどです。新卒でNPOに就職するというのは、就職というよりもむしろ起業するという意気込みに近くなると考えた方がいいでしょう。

全体として、厳しい感じになりましたが、新卒でも就職を考える人が増えてきたことはとても喜ばしいことだと思います。若い世代が希望を持って飛び込める業界にしていくと同時に、新卒であっても圧倒的なパフォーマンスをする人たちがフロンティアを開拓していく様子を見てみたいと強く願っています。