社会サービスの質における、3つの側面

社会サービスとは生活に密着し、生活の基盤を支えるサービスのことを言います。「社会サービスとは」で詳しく解説しています。では、そんな社会サービスのクオリティはどのように捉えればいいのでしょうか?今回はこの質について「受益者」「支援者」「社会的インパクト」の3つに整理して解説します。

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受益者の満足度

受益者とは事業によって利益を受ける人々のことを指します。そもそも社会サービスは受益者の人々の生活を向上させるためのものです。生活を支援されるべき受益者にとって様々な形の社会サービスが必要です。そのため教育、医療、介護などといった様々な種類の社会サービスが提供されます。しかし、このご時世、ほぼ全ての人々が年をとったり、障害を負ったり、失業したりといったリスクにさらされています。また出産や育児といった出来事も社会からの支援を必要とします。言い換えれば、あらゆる人々が受益者となりうるということになります。

何かのライフイベントが起こって、その社会的ニーズに十二分応えられる社会サービスが提供されれば受益者は満足します。困っているところにそれを解決してくれるサービスが提供されるのだから、ある意味当然と言えます。

本当に社会課題の解決につながっているのか

しかし、そのサービスが本当に受益者のためになっているのかには十分すぎるほどの注意をする必要があります。飢えた人に魚を与えればその時は空腹をしのげるかもしれませんが、また同じことが起こりかねません。しかし、魚の釣り方を教えてあげれば、その飢えた人はその後もなんとか自分で生きていけるようになるでしょう。

つまり、社会サービスがその場しのぎのものであった場合も、受益者は満足をするかもしれません。しかし、根本的な解決にはなっていません。下手をするとより問題が複雑になる可能性さえあります。困っている人が喜んでくれるというだけでは、いい社会サービスであるとは言い切れません。

支援者の満足度

ここでいう支援者とは、寄付者やボランティア参加者など社会サービスの提供に参加した人々のことを指します。言い換えれば、資金や情報、労働力のような資源(リソース)の提供者とも言えます。

社会サービスは、その性質上サービスの提供にかかるコストを複数の主体で共同負担することが必要です。例えば、社会保障制度の場合、税金といった形でその財源を確保し強制的にではあるものの共同負担をする仕組みになっています。ソーシャルセクターのような民間の主体も、寄付金や会費、その他の事業収入などによって負担をするような仕組みになっていると言えます。強制的であれ、自発的であれ、サービス生産に必要なコストを負担しているのです。

また、支援者になっている人たちも同時に受益者かもしれませんし、何年か後に障害や失業、出産、育児、災害などのリスクに見舞われるかもしれません。その意味では、自分たちも何がしかの社会サービスが必要であり自分たちに返ってくるという意識を持っている人もいるかもしれません。

見るべきは支援者ではないはず

既に書いてある通り、社会サービスは受益者のニーズを満たすことが何より大事なのであって、支援者の満足は2の次はずです。しかし現実には、資金や人材がなければ何もできないので、支援者にばかり目を向けてしまいがちです。ここで重要なことは、社会課題を解決するために支援者といかに同じ方向を見ることができるかだと思います。支援者が本当の意味で応援者になるように働きかけることが大切です。

社会的インパクト

社会的インパクトに関しては、「社会的インパクト評価とは」で詳しく解説してあります。簡単に言えば、中長期で社会に与えた影響(成果)といったところでしょうか。これを計測することを社会的インパクト評価と言います。

当たり前ですが、受益者の満足感だけでなく、本当に課題の解決になっているのかを考えなくてはいけません。社会的インパクト評価も決して厳密で正しいものであるとは限りませんが、なるべく客観的に事業の成果を評価することで、場当たり的な社会サービスの提供を見直すことができるでしょう。

受益者や支援者に受け入れられることも大切

仮に社会的インパクトのある事業だとしても、それが受益者や支援者たちに受け入れられなければ意味がありません。ここではマーケティングやコミュニケーションなどといったスキルが役に立ってきます。本当に意義のある事業を社会に実装するために、誰にどのように魅せていくのかが重要になってきます。

まとめ

今回は社会サービスの質を考えるための3側面を考えてみました。
「受益者の満足度」、「支援者の満足度」、「社会的インパクト」の3つの側面はいづれも大事な1面であることは確かで、どれかをないがしろにすれば質を維持することは難しいでしょう。また、これらは互いに関連しているので、全体的に取り組んでいく必要があります。

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