SDGs(持続可能な開発目標)ができるまで!採択までの道のりを大解剖!

持続可能な開発目標(SDGs)は2030年までに全世界で達成されるべきグローバルな目標として、2015年に国際連合で採択された目標です。SDGsは、かなり大規模でオープンな過程を経て、作成されたグローバル目標です。果たしてどんな旅を乗り越えてきたのか?議論が始まった時点から、順を追って見ていきましょう!

SDGsってなんぞや?という方は「持続可能な開発目標(SDGs)ってナニ?国連が採択したグローバル目標のキホン」をご覧ください。

あ、MDGsが終わっちゃう!

MDGs?となった人もいるでしょうか?SDGsはその前身と言えるMDGs(ミレニアム開発目標)の影響を受けています。MDGsは途上国の貧困問題を解決することが最大の目的で、8のゴール、21のターゲット、60の指標から構成されていました。

人類の貧困問題を解消するために定められたミレニアム開発目標(MDGs)は2015年に目標期限年を迎えることが決まっていたので、2015年以降の世界共通の開発目標をどうするかといった議論が始まりました。

Rio+20:貧困だけじゃない!環境だって大切だ!

MDGsに続く新しい目標としてのSDGsには、急速なグローバル化が進む中で、貧困・格差・環境問題が途上国に限定されない、より広範な人類共通の問題に取り組むようにリオ +20で提起されました。

Rio+20では、「環境と開発に関するリオ宣言」やそれに向けた行動計画が採択されました。また、SDGsに繋がる考え方の土台が固まったのもこの会議でした。環境方面の議論が主でしたが、MDGsと統合してSDGsを策定するという方針が決まる大きな契機となりました。

オープンに議論しようではないか

MDGsの期限切れ、Rio +20での問題提起、オープンな議論の要求などといった背景から、国連ではオープンワーキンググループ(OWG)の設置が正式に決まり、SDGs策定への議論が本格的に始まりました。効率よく議論を進めるために、OWGでは2段階で交渉が行われました。

第1段階では国連に加盟する国、専門家、他の利害関係者などからの意見の棚卸しが行われました。第2段階ではSDGsへの提案を含む報告書の作成が行われた。OWGが採択した報告書はSDGsの目標、位置づけ、経緯について言及している。その中で、SDGs の17の目標と169のターゲットが構成され、環境や開発、その実施手段や参加などのガバナンスに関わる項目が含まれていた。SDGsを下敷きにして、各国は国別のターゲットを設定し、経済、社会、環境の3側面の統合を要請するように主張されました。

やっぱり紛糾します…

交渉の中では、SDGsOWG成果文書の扱いや、目標の数、ターゲットの簡潔化、国連事務総長統合報告書の6つの要素との関係性、実施手段に関するターゲットの扱い等が議論されました。策定されたターゲット案の具体的な指標についてや、既存の数ある国際合意との整合性が厳密に取れていなかったことから、ターゲットの改訂案に関する共同議長提案が発表され、19 個のターゲットについて改訂案が示されました。

しかし、途上国側の多くの国は改訂に対して反対していました。そもそもターゲットは政治的な微妙なバランスのもとで作成されたものなので、再交渉に持ち込まれるのは分が悪かったのです。そのため、提案理由について共同議長に更なる説明を行うようにも求めました。その結果、先進国各国は「再交渉をしない」というスタンスを支持しつつ、これらの未確定事項を埋める議論をすることを合意したのです。

一般市民やNGOだって参加した

SDGsのターゲットや指標の見直しにあたっては、既存の国際合意の水準を下回らないことや達成期限の設定について各国やNGOなどが主張を行いました。これは他でもなく、政治の都合だけでなく様々な角度からの意見を反映させるためです。

政府間交渉やNGOなどの意見表明と並行して、全世界人口の0.1%に当たる約720万人がインターネットや紙で国連開発計画(UNDP)の調査に加わり、広く一般市民からの意見もアジェンダ策定に反映させることを目指した。

まとめ

このように長いプロセスを経てSDGsは作成され、国連で採択されました。最終的に17の目標と169のターゲット、230を超える指標により構成される極めて広範囲にカバー範囲を持つものとなりました。

オープンに議論されたことで、政府だけでなく企業やNGOでも活用されています。また、MDGsやRio+20の流れを汲んでいることも、多くの立場の人たちを巻き込む上で重要なポイントになっています。

参考文献

[1]外務省「開発教育ハンドブック ミレニアム開発目標(MDGs)
[2]Open Working Group of the General Assembly on Sustainable Development Goals (2014). Open Working Group proposal for Sustainable Development Goals.
[3]田辺有輝(2015).「第3回ポスト2015開発アジェンダに関する政府間交渉の概要と今後の課題」Green Economy Forum編『SDGs(持続可能な開発目標)/ポスト2015年開発枠組みの最新動向と展望~持続可能な未来への効果的な実施・ガバナンス構築に向けて』p.12.
[4]UNDP(2015).「持続可能な開発目標(SDGs)採択までの道のり
[5]UN Statistic Division(2017).Tier Classification for Global SDG Indicators.p.1.