コレクティブインパクトによくある3つの批判

社会課題を解決するためのアプローチとしてコレクティブインパクトに注目が集まっています。これは、色々な立場の主体が強く連携しながら時間をかけて根本的な社会課題解決を目指すアプローチです。強力なアプローチである一方で、批判が寄せられていることも事実です。今回は、そんな批判を「押しつけになる」「連携について」「資源について」の3つに集約して紹介します。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コレクティブインパクトとは?

コレクティブインパクトとは、慈善団体や社会的企業のようなソーシャルセクターだけでなく、行政や企業、資金提供者などが強く連携しながら時間をかけて根本的な社会課題解決を目指すアプローチのことです。最近、海外だけでなく日本でも徐々に注目を浴びるようになってきた考え方です。

コレクティブインパクトには5つの必要条件が挙げられています。それらはそれぞれ以下のようにされています。

  1. 共通のアジェンダ
  2. 共通の評価システム
  3. 相互支援活動
  4. 継続的なコミュニケーション
  5. バックボーン組織

社会課題は複雑であり、単体の主体のアプローチ(Isolated impact:孤立したインパクト)では限界があります。そんな課題を色々な立場の主体が強みを出し合うことで解決しようという考え方です。一見、とても強力なアプローチのように感じますが、実は批判があることも事実です。以下ではその代表的なものを挙げてみます。

コレクティブインパクトへの批判

強力なアプローチとしてのコレクティブインパクトは、色々なところで注目が集まってきています。しかし、それに対して批判が寄せられていることも事実です。ここでは、3つに分けて紹介します。

(批判1)押し付けになってしまう

コレクティブインパクトは実現するにあたって、ゴールを共有したり、共有評価のシステムを作ったりしなければいけません。このプロセスは往々にして、トップダウンのやり方になってしまいがちです。

社会課題はその地域や社会にあるものであり、その現場にいる組織や人が創造的に関わらなければいけません。にも関わらず、通り一辺倒なゴールや共有評価を押し付けられると現場の創造性や多様性を阻害してしまいます。

(批判2)効果的な連携についての言及がない

コレクティブインパクトの議論は、その有効性について全面に出ていますが、前提として色々なセクターの主体が効果的に連携していることが暗黙の了解になっています。しかし、感覚的にもわかる通り、セクターが異なれば、考え方や利害関係も異なります。これを調整して同じ方向性に束ねることがどれほど難しいのかは簡単に分かります。

このアプローチの本質は連携して課題解決を行うことなのに、それほど詳しい議論はされていません。実際、コレクティブインパクトの5つの必要条件の中には全体の面倒をみる存在としてバックボーン組織については触れられていますが、それ以上のことに関しては触れられていません。このアプローチが普及するか、成功するかは効果的な連携ができるかどうかの経験や理論が蓄積されていくことにかかっていると言えるでしょう。

(批判3)必要な資源はどうやって集めるのか?

単体の主体によるアプローチにしても、コレクティブインパクトアプローチにしてもお金や人材、情報という資源が必要なことは変わりません。普通に事業をするのにも、成果の評価にもコストがかかります。これらの資源をどこからどのように集めてくるかという具体的な解決策を見つけなければいけません。前に紹介したバックボーン組織や連携するパートナーが大きな資金を持っていれば話は早いですが、そうとは限りません。

当然、多様な主体が集まることでヒト・モノ・カネといった資源を集中して活用できるようになることでそれまでよりは効果的に使うことができるでしょう。しかし、具体的にどのように実現するかがネックになります。

批判があるから強くなる

ここまで3つの批判を解説しましたが、これらに対する明確な反論や解決策は今の所見つかっていません。これは、まだまだ新しい考え方やアプローチであり、誰もが手探りの状態だからです。とはいえ、批判があるこそ、弱点や欠点と向き合うことができ、それを乗り越えることで強くなっていくものです。世界中でコレクティブインパクトアプローチの実践が生まれている中で、少しずつノウハウや事例を蓄積していって批判を乗り越えていくために着実に進んでいく必要がありそうですね。

まとめ

今回は、最近注目が集まりつつあるコレクティブインパクトによくある批判を紹介しました。

  • 押し付けになってしまう
  • 効果的な連携についての言及がない
  • 必要な資源をどう集めるのか?

の3つの批判を紹介しました。全体を通して、確かに一理あると言える批判だと言えます。

まだまだコレクティブインパクトアプローチは理想論であると言わざるを得ません。しかし、強力なアプローチであることには違いはありません。今後は、具体的な実践や理論が集まっていくことが期待されます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク