NPOの言葉の意味を4つのパターンで考えてみた

「NPO」が何を指しているのか、言葉の意味について明確に説明できる人は実はそれほど多くはありません。NPOが何を表しているのかを分かりにくくしているのは、色々な人がNPOという言葉を色々な意味合いで使っているからだと思います。今回は、NPOが使われる場面を想定しながら、どんな意味があるのかを紹介します。あなたが普段、NPOと聞いて思い浮かぶのはどの意味でしょうか?ここでは、一番狭い意味から順に解説していきます。

(1)NPO法人(特定非営利活動法人)

特定非営利活動法人の範囲

一番狭い意味では特定非営利活動法人(通称、NPO法人)と呼ばれる組織を指す場合があります。NPO法人とは、1998年に施行された特定非営利活動促進法という法律で認められている法人格です。

NPO法人は下にあげているような20分野において活動しています。

  • 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  • 社会教育の推進を図る活動
  • まちづくりの推進を図る活動
  • 観光の振興を図る活動
  • 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  • 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • 環境の保全を図る活動
  • 災害救援活動
  • 地域安全活動
  • 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  • 国際協力の活動
  • 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  • 子どもの健全育成を図る活動
  • 情報化社会の発展を図る活動
  • 科学技術の振興を図る活動
  • 経済活動の活性化を図る活動
  • 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  • 消費者の保護を図る活動
  • 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
  • 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

日本でNPOという言葉が広まり出したのがこの法律がきっかけなので、NPOというとNPO法人のことという人が多いようです。

(2)非営利法人

非営利法人の範囲

NPOというとNPO法人を含む、非営利法人のことを連想する人も多くいます。非営利法人とは、NPO法人を含む、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人など非営利の法人格を持った組織のことを指します。「営利と非営利の違いを正しく知っていますか?」でも解説していますが、非営利の意味は「資産の分配に制限をかけている」という意味です。これらの全て法人格はこのような非営利の仕組みを持っています。

(3)資産の分配をしない組織全般

資産分配しない組織の範囲

資産の分配しない組織全般を指す場合もあります。一つ上の非営利法人となにが違ううのとなりそうですが、こっちには任意団体も含めます。任意団体は、法人格を持ってない団体のことです。このような任意団体も含めてNPOと呼ぶ場合があります。

よくNPOをNon-Profit Organizationsの略だとされますが、まさしくそれに当てはまります。これは一般的な企業(株式会社)のような資産の分配を制限しないタイプの組織の全く反対の性質を表しています。

(4)資産の分配に制限をかけている組織全般

資産分配に制限をかけた組織の範囲

一番広い意味では、資産分配に制限をかけている組織全般を指しているものです。(3)との違いは、部分的に分配することが認められている組織も含まれているところです。厳密な意味で言えば、このような組織のことを社会的企業といいます。この意味合いで使う場合、社会的企業も含めてNPOといいます。これは、NPOをNot-for Profit Organizationsと捉えているものだと言えます。

ただし、日本では内部資産の分配にについて部分的な制限をかけている組織のための法人格は今の所存在していません。イギリスやアメリカ、イタリアでは事例があるもののまだこれから広がりが待たれている状況です。

ちなみに、このサイトでソーシャルセクターと言っているものはこれとほぼ同じ意味で使っています。

協同組合について

今回取り上げた4つのパターン全部に関わりますが、協同組合を含めるか含めないかによっても範囲は変わってきます。協同組合は一般的次のような組織です。

協同組合(きょうどうくみあい)は、共通する目的のために個人あるいは中小企業者等が集まり、組合員となって事業体を設立して共同で所有し、民主的な管理運営を行っていく非営利の相互扶助組織。

引用:Wikipedia「協同組合」

協同組合は、一般的に構成員同士で助け合う「内側」に向いたスタンスが多い組織です。厳密に言えば組織の「外側」にいるの不特定多数の受益者に対して事業を行う組織と区別することが可能です。しかし、協同組合も外部に対して広く公益に貢献することも多いのでその境界は曖昧なのも事実です。今回は細かい話はややこしくなるので、(2)〜(4)に含まれているくらいの認識で大丈夫だと思います。

まとめ

今回は、NPOと一口に言っても色々な意味を指していることがあることを解説しました。特にどれが正解というわけではありませんが、すれ違いが起きないようにするためにも自分や相手がどの意味合いで使っているのかをはっきりさせておく必要はあるかと思います。

また、NPOにはその活動のスタンスによって分類されることもあります。事業型NPO、慈善型NPO、監視・批判型NPOなどです。このように様々な使われ方をするので、余計にややこしくなるので注意が必要です。