ソーシャルセクターが社会を変える5つの理由

2016-11-05

ソーシャルセクターとは何ぞやということについて、こちらの記事で紹介しました。
ソーシャルセクターとは何だろうか?

とはいえ、一体なぜソーシャルセクターが取りざたされるのでしょうか?その理由を探っていきたいと思います。

理由1:社会的価値を生み出す仕組みを作るから

ソーシャルセクターの根本的な存在意義は社会的な課題を解決することにあります。しかし、政府・行政や企業も同じように社会的な課題を解決しようとしているし、特にソーシャルセクターであるNPOや社会的企業のような組織の専売特許ではないようにも思えます。

この点はまさにその通りだと思いますが、2番目の理由で紹介するようなソーシャルセクターの非営利性やそこに参加する人たちのモチベーションを考えるとソーシャルセクターは社会的価値をつくることに向いているといえるのではないでしょうか。

しかも、最近では高い事業性をもって新たな仕組みを創りつつ、社会的価値を世の中に広げていこうとする動きも盛んになってきました。この背景には、IT(情報技術)が発展したことで情報が共有されやすくなってきたことや、市民一人ひとりの意識が変わってきたことが挙げられます。

理由2:非営利によるメリットがあるから

1つ目の理由に社会的課題を解決するからと紹介しました。でも、そもそもなぜ、そんなことができるのでしょうか?その理由は利潤の非分配原則というものです。

別名でアセットロックともいうこのルールですが、これによるところが多いと言えます。このような仕組みのことを非営利と言いますが、非営利とは、「利益や資産の分配に部分的ないしは全面的に制限をかけていること」です。このことは裏を返せば、あがった利益を事業に再投資することができるということであり、積極的に社会的な事業を大きくしていくことができるようになります。

他には、過度な利益追求がなされないだろうという信頼感から、ソーシャルセクターと積極的にかかわろうとするモチベーションが生まれるというメリットもあるといわれています(実際には、日本のNPO法人は知名度等の問題から信頼感が薄いという現実もありますが…)。

理由3:市民の社会参加のメディアになるから

ソーシャルセクターは、民間であり非営利なので基本的に開かれた組織です。それゆえに、寄付をする、会員になる、ボランティアとして参加するなど、色々な形で彼らの事業に参加ができます。

また、何か特定の社会課題に挑戦しているNPOが多くなったり、それらの組織の寄付者や会員が多くなったりすれば、それだけ関心がある人や困っている人が多いということを表しています。

これまで、選挙くらいでしか意思表示ができなかったところから、NPOなどのソーシャルセクターを通してでも意思表示ができるようにもなるのです。NPOをはじめとするソーシャルセクターにはこのような期待も寄せられています。

理由4:企業や行政を効率的にするから

ソーシャルセクターは市場の失敗や政府の失敗を補うものとして取り上げられます。市場の失敗とは、企業が効率性や自分たちの利潤を大きくしようとするあまり、格差の拡大や公害、失業などのような社会的によくない影響を与えてしまうことをいいます。また、政府の失敗とは、政府や行政が企業では対応できないことに対して取り組もうとした時に、効率が悪くなりむしろ企業活動に悪影響を与えたり、財政が悪くなったりするといったことをいいます。

このような市場(要するに企業のこと)や政府が両方とも失敗した部分は、まるで真空空間のように取り残されてしまう状況になります。このままではいけないということで、ソーシャルセクターが力をつけるようになってきたということです。

この真空空間があまりにも大きくなると、例えば治安が悪くなったり、景気が悪くなったりして結果としていいことはありません。そのような部分を手当てするソーシャルセクターはある意味、企業や行政の働きを効率よくしてくれるとみることもできます。

理由5:社会課題の予防ができるから

政府や行政といった公共組織は、確実に社会サービスを展開できるものではあるものの、税金が財源なので、なんでもかんでもできるというわけではありません。一方、ソーシャルセクターは民間組織なので、基本的に小回りが利きます。

しかも、自由に事業ができるし発信ができます。このことで、まだ目に見えて現れていない社会課題に対してもチャレンジすることができるのです。小さな火種もほっておけば、大災害に繋がりかねませんから、小さな火種の段階で手を打てることは大切なことですよね。

まとめ

ソーシャルセクターには、たくさんの壁が待ち受けていることも、まだまだ実力をつける必要があることもまぎれもない事実です。しかし、社会変革を誘発する存在としてのソーシャルセクターは今後も存在感を増していくことでしょう。