日本のソーシャルセクターに今後必要な5つのスキル

2017-10-27

今後の日本のソーシャルセクターには、どのようなスキルが必要になるのでしょうか?最近では、ソーシャルセクターの行なっている事業や組織の運営には高い専門性が求められる場面が多くなってきました。今回は、ソーシャルセクターに必要とされるであろうスキルを5つ解説します。

スキル、5選

今後のソーシャルセクターに必要とされるスキルには、組織の堅実な運営を支えるものから、革新的な事業を作っていくのに必要なものまで幅広く考えられます。ここでは、財務会計、マーケティング、マネジメント、ファシリテーション、データ解析の5つのスキルを取り上げます。

財務会計のスキル

ソーシャルセクターは基本的に資金が不足している場合が多いです。この状態でいかに上手に資金を活用し、管理するのかという部分を担う存在の役割は自ずと大きくなります。

また、非営利組織にも信頼性が求められているようになっていることも、このスキルが重要になる理由の一つです。非営利組織は通常の事業からの収益に加え、寄付金や会費、補助金、助成金など様々な財源を持っていることが一般的です。言い換えれば、人様のお金を預かり事業を行う訳なので、適切にお金が扱われているのかと言った視線は強くなります。確かに、NPO会計や公益法人会計は企業会計とは少し異なりますが、本質的に処理に関しては大体同じです。

マーケティングのスキル

非営利組織は、より多くの関係者を巻き込みながら事業を行なっていきます。事業の対象となる受益者から支援者、企業、行政などまで非常に幅が広いです。このような人たちを巻き込む為には、あらゆるメディアを通して、自分たちの事業の意義や成果を訴え輪を広げていく必要があります。このプロセスは紛れもなく、マーケティングです。

マネジメントのスキル

組織を安定的に継続して運営していくためには、お金や人材を計画的にマネジメントしないといけません。マネジメントというと企業の話とされがちですが、慈善団体や社会的企業のようなソーシャルセクターでも同様です。ソーシャルセクターは企業と異なる原理で動いているだけであって、人材や資金がなければ何もできないことに変わりはありません。むしろ、少ないリソースを効率的に活用したり、引き込んできたり、増やしたりするかといったシビアな感覚が求められるでしょう。現状でソーシャルセクターの運営が厳しい状況にあるのは、このマネジメントが不在だったからだと言えるでしょう。

ファシリテーションのスキル

ソーシャルセクターは様々なステークホルダーの参加を促しながら事業を展開します。その際、それぞれの抱えている問題意識や利害関係は多くの場合異なっています。このバラバラの気持ちを調整しながら同じ方向性にまとめていくスキルが必要です。

Wikipediaによれば、

ファシリテーションは、会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの持つ能力の1つ

引用:Wikipedia「ファシリテーション」

とされています。たくさんの利害関係者や支援者、受益者と関わりを持ちながら事業を進めていくソーシャルセクターにとって、ファシリテーションスキルは必ず求められる能力であると言えます。

データ解析のスキル

データ解析のスキルは、現在のソーシャルセクターが注視している成果評価が大きく関係します。成果を評価するプロセスでは適切にデータを集めて分析し加工することが求められます。このような、エビデンス(証拠・根拠)に基づいた運営をする為にもデータを扱える能力は必要であると言えます。

2017年には「社会的インパクト評価の推進に向けたロードマップ」が発表され、今後より一層評価人材が求められることが予想されます。このような意味でもデータ解析のスキルは今後のソーシャルセクターでより求められるスキルになると思われます。

どうスキルを持った人材を確保するのか?

では、ソーシャルセクターの組織はどのようにこのようなスキルを持った人たちを確保すればいいのでしょうか?主には「内部で育てる」「外部から引き込む」「借りてくる」の3つの方法があります。

内部で育てる

まずは、自分たちで育てることは大前提でしょう。しかし、その余力や資金があるかと言えば厳しいと言わざるを得ませんが、最終的にはここを目指すべきです。

何かのスキルを持った人材の育成プログラムを作り、一定程度の時間をかけて育てていくことが必要です。そのためには、スキルを身につけるための知識や経験を積む場を作ることなどの取り組みが必要でしょう。

外部から引き込む

すでに、スキルを身につけた人たちに飛び込んで来てもらうのも一つの手段としてはありでしょう。既に別の業種や企業で活躍している人を迎えることで、高度なスキルを持った人材確保は可能です。

最近では、関心も高まっておりチャンスがあればソーシャルセクターと関わってみたいという人も増えてきました。しかし、この場合障害になるのは給料の点です。ソーシャルセクターの給料の水準が低いことは残念ながら否めません。今後、このようなスキルを持った人たちが積極的に関われるように待遇改善の努力をする必要があるでしょう。

借りてくる

スキルのボランティアと呼ばれるプロボノという活動があります。プロボノを推進している認定NPO法人サービスグラントはこのように説明しています。

「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、【社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活動】を意味します。近年、日本国内でもプロボノに対する社会的関心は急速に高まりを見せており、新しい社会貢献のあり方として注目を集めています。

引用:サービスグラント「サービスグラントとは」

プロボノのような仕組みを活用しつつ、必要に応じてスキルを調達する柔軟性も大切でしょう。

まとめ

今回は、これからの日本のソーシャルセクターで必要とされるスキルについて紹介しました。取り上げたものは、今後需要が増えそうなスキルですが、それと同時にどれも専門性の高いスキルだと言えます。このようなスキルをいかに身につけるのか、またソーシャルセクターの組織はどのようにこのような人材を確保するのかについて今後考えていかなくてはいけないでしょう。

ソーシャルセクターに就職や転職を考えている新卒やサラリーマン、公務員の方々もぜひ、ここで紹介したようなスキルをしっかり身につけて飛び込んで欲しいと思います!