営利と非営利の違いを正しく知っていますか?

営利と非営利の違いをちゃんと説明できますか?
最近、非営利組織ないしはソーシャルセクターと呼ばれる主体が注目を浴びることが徐々に多くなる一方で、正しい理解が広がらず誤解をしている人も増えてきました。正しい理解は、それぞれの性質や特徴を活かして、より大きな成果を生み出すために必要になります。

今回は、営利と非営利の違いをそれぞれの性質を通して解説していきます。

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営利には、分配が求められる

さて、営利組織の営利とはどういう意味でしょうか。営利とは、「組織内部の利益などの資産を関係者に分配する」ということを指します。

具体的に営利組織といえば、株式会社が挙げられます。株式会社の仕組みを考えてみれば、よく分かります。言わずもがなですが、株式会社は「株式」という証券を発行し、投資家から資金を調達します。この時、投資家は将来投資先の組織があげるであろう利益を期待して資金を提供します。というのも、その利益から投資した分だけ、分け前をもらえるというルールになっているからです。

よく、企業は利益を追求するものだという意見を聞くことがあります。なぜ利益を追求しないといけないのか?それは、投資家が投資をする際に組織が上げた将来の利益から分け前をもらえるというルールの下で資金提供しているからです。だからこそ、企業が利益を最大化しないということはルール違反になり、株主や社会から怒られることになるのです。

営利のメリットは「急成長」と「迅速さ」

営利には「急成長することができること」「スピーディな意思決定ができること」の2つのメリットが考えられます。

「急成長できることができること」に関しては、営利の仕組みを考えてみればすぐに分かります。投資家は投資先が将来あげるであろう利益からの分け前を期待して投資をします。つまり、現段階で儲かってなくてもよく、数年後に軌道に乗ってからでもいいのです。だからこそ、ベンチャー企業への期待が生まれるのです。数人の若者がガレージで立ち上げたベンチャーであっても今後大きく伸びる可能性があれば、お金を集めることができるのです。そのお金を元に、本当に大きく成長させることができるのです。

「スピーディな意思決定」については、組織の所有権に関係します。例えば株式会社の場合、株式を多く持っていればいるほど、発言力を増します。つまり、多くの株式を持っている人がいれば、その人の意向が素早く組織の動きとして反映されるのです。

非営利には、非分配が求められる

非営利とは、非・営利(営利に非らず)なので、営利の逆と考えれば大丈夫です。つまり、非営利とは「組織内部の利益などの資産を関係者に分配しない(ないしは、分配に制限をかける)」ということです。言い換えれば、投資家が存在しないということになります。ちなみに、行政組織も大きな意味では非営利組織ということになります。

あとで詳しく解説しますが、非営利とは利益を上げないということではなく、分配をしないことを指しています。これは誤解の多いところですが、大切なところです。

非営利のメリットは「低収益事業」と「エンゲージメント」

非営利には「低収益な事業でも実施できること」「関係者の関与を引き出すことができること」が挙げられます。

投資家がいないということは、利益追求のプレッシャーがないということです。つまり、必要であれば、低収益の事業でも実施ができるということになります。また、非営利組織であれば、寄付や会費、助成金などを活用して、事業コストを補うこともできます。戦略的に寄付や会費を活用することは、意識喚起や財務体質、社会性など色々な面で重要なことだとされています。

「関係者の関与を引き出すことができる」ことについては、組織での発言権に関係します。営利組織の場合、例えば株式を多く持っている人が発言権が強いということは既に紹介しました。一方、非営利組織の場合、投資家や株式といった存在がないので、特定の誰かの所有になるということがありません。大きく言えば、「社会のもの」「皆のもの」となります。これは、関与する全員が同じだけの発言権を持つべきという理念を反映しています。もう少し踏み込んで言うと、立場や境遇に関わらず色々な形で組織の意思決定に参加できるということであり、そこに受益者や支援者、地域住民などあらゆる人を参加することが求められているということです。

営利と非営利の違いは利益?

ところで、よく非営利組織は利益を上げてはいけないという声を聞きます。ここまでお読みの方はだいたいわかると思いますが、これは半分正解で半分不正解です。

すでに述べたように、営利組織が利益を追求しないといけないのは、投資家との約束で、投資家に最大限お返しをしないといけないからです。この面を考えれば、非営利組織には投資家という存在がそもそも存在しないので、利益を上げる必要はありません。

しかし別の一面を考えてみれば少し変わってきます。組織の運営を考えた時、人件費や材料費など事業の遂行のために必要な「コスト」がかかります。このコストは何らかの方法で回収しなければ、組織を存続させることができません。営利組織は事業からこのコストも当然のように回収します。非営利組織であっても、このコストの部分は回収しなければいけません。この点で言えば、何らかの方法で非営利組織も利益を上げていく必要があると言えます。とはいえ、その方法は事業から回収したり寄付や会費で補ったりなど多種多様です。

それでも、大事にしないといけないことは同じ

ここまで営利と非営利のそれぞれの性質と違いについて書いてきました。しかし、ステークホルダーを大事にしないといけないこと点は同じです。ステークホルダーとは、何らかの形で組織に影響を与えたり、逆に与えられる人や組織のことです。

営利組織が投資家のために利益を追求しないといけないとは言いつつも、それ以外の従業員や消費者、取引先、地域住民などのステークホルダーを無視していては事業を続けていくことすらできなくなってしまいます。非営利組織も、対象としている受益者や支援者、専門家などのステークホルダーの関与を適切に引き出さなければ、望んだ成果を出すことはできません。

営利組織も非営利組織も社会の一員であることは全く同じです。仕組みとしての違いはあるものの社会に対してどのように貢献するのかということは考えなくてはいけません。

まとめ

今回は営利と非営利の違いについて解説しました。少しまとめると、

  • 営利とは、資産を分配できるということ
  • 非営利とは、資産を分配できないということ
  • 利益に対する考え方は少し違う
  • 社会の一員として、ステークホルダーを大事にしないといけないことは同じ

営利も非営利もどちらも社会という大きなシステムの中にある構成要素でしかありません。どちらがいいか悪いかではなく、それぞれどんな特徴があり、それを生かすためにどうすればいいかの方が大事ではないでしょうか。

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