コレクティブインパクトを支援する「バックボーン組織」って何者?

コレクティブインパクトとは、特定の課題を解決するために、異なるセクターや主体が必要十分な参加と長い期間のコミットメントをするという考え方です。つまり、各自の取り組みを上手く連携させ課題解決を目指すということです。このコンセプトを実現するための条件に、バックボーン組織の存在が挙げられています。バックボーン組織はコレクティブインパクトの取り組み全体を支援する役割を持っています。今回はそんなバックボーン組織について解説します。

コレクティブインパクトに向けた5つの必要条件

コレクティブインパクトは、2011年にマーククラマーらが発表したレポートで登場しました。これは、長期間で広い範囲の主体が参加した、強力な連携のもと本質的な課題解決を目指す連携の仕方であるといえます。

その中で、5つの必要条件について解説されていました。

  1. Common Agenda(共通のアジェンダ)
  2. Shared Measurement System(共通評価の仕組み)
  3. Mutually Reinforcing Activities(相互強化の活動)
  4. Continuous Communication(継続的なコミュニケーション)
  5. Backbone Support Organization(バックボーン組織)

まず、参加する人々の間で「どのような問題に対してアプローチするのか」などの共有されるビジョンが必要です。また、成果を評価する為に社会的インパクトを共有する必要があります。もちろん、お互いに学びあったり、コミュニケーションを取り合うことが必要です。そして、これらのアクションがうまくいくようにするのが、バックボーン組織です。

バックボーン組織はどんな役割を持っている?

そもそもバックボーン組織とはどんな役割を持っているのでしょうか?
バックボーンとは背骨を表しますが、その名の通り、背骨のように全体を支援する働きが期待されています。

具体的には、

  • ビジョンや戦略の実行を管理すること
  • 連携活動を支援すること
  • 共有評価システムを構築すること
  • モチベーションの管理
  • 政策を進めること
  • 資金調達

と言われています。見てわかる通り、コレクティブインパクトアプローチの5つの条件をクリアする為に必要な支援活動を全体的に担っていると言えるでしょう。

どの支援に徹するかは、アプローチや進捗によって変わる

バックボーン組織の役割は該当する組織がその全てを担うということはありません。基本的には、そのコレクティブインパクトアプローチの目指す目標によってどこに力を入れるかを決めます。また、その進捗具合によっても、期待される役割は変わってきます。時と場合によって、自らの役割を考えて切り替えていく力も必要だと言えますね。

バックボーン支援は本当に可能?

バックボーン組織の基本的な役割については、すでに書いた通りですが、果たしてこのようなことが可能なのでしょうか?例えば資金調達1つとって見ても、バックボーン組織に限らず、なかなかうまくいかないと苦労しているケースがほとんどでしょう。ですが、コレクティブインパクトアプローチの前提には、十分な資金を持っているまたは調達できるバックボーン組織の存在があります。それに加えて、専門的な共有評価システムの構築や参加者間の調整を担うなど重責であると言わざるを得ないという議論もあります。

コレクティブインパクトアプローチの始める前の段階でどれだけ準備できるか、どれだけ分担できるかといったことを考えていかなくてはいけないでしょう。

まとめ

ここまでで見てきたようにバックボーン組織はコレクティブインパクトアプローチを成功させるために支援する役割を担っていることが分かりました。コレクティブインパクトの中には、社会的インパクト評価の指標やプロセスを共有するシェアードメジャメント(共有評価)システムを作ることや参加メンバー間での学び合いや交流を促すことが必要になってきます。その推進役を担うのがバックボーン組織と言えます。

ですが、バックボーン組織がどのようにコレクティブインパクトの中で支援の役割を果たしていくのかについては、今後も実践や研究が進んでいく中で洗練されていくでしょう。