セオリー・オブ・チェンジが共有評価にも大事なワケ

共有評価(シェアードメジャメント)システムを作る過程で、セオリー・オブ・チェンジの作成をすることが求められます。プロセスについては、「共有評価(シェアードメジャメント)システムの作り方」で詳しく解説しています。では、なぜセオリー・オブ・チェンジが必要なのか、その理由には2つ考えられます。この理由を考えてみると、このフレームワークの便利さがよくわかると思います。

セオリー・オブ・チェンジについて

セオリー・オブ・チェンジとは、社会問題の因果関係を理解し、自分たちの人材や資金をどのように活用すればいいのかについて考えることを促すフレームワークです。自分たちを取り巻く環境をしっかりレビューすることで最適な事業やその組み合わせなどを考えることができます。まさに、「変化の理論」を考えるということですね。

大まかには、「究極的かつ現実的な目標」「中間的な目標」「目標間の因果関係」「目標を達成するための事業」などの要素から成り立ちます。これらを見える化することで、組織の戦略やポジショニングを考えることができます。

詳しいことについては「社会的インパクト評価で使われる主なツール3選」や「セオリーオブチェンジは戦略策定の必需品!」でも解説しています。

共有評価について

共有評価とは、複数の組織間で社会的インパクト評価のプロセスや指標を共有することを指します。社会的インパクト評価については「社会的インパクト評価とは」で詳しく解説していますが、どれだけの成果をあげているのかを測定することを言います。これを複数の組織間で活用することで、評価コストの削減や効果的な組織間連携などを実現できます。

共有評価システムは複数の組織で評価プロセスを共有するので、その構築の過程で必要十分な関係者による参加が不可欠です。ここで、次に紹介するセオリー・オブ・チェンジが大きな役割を果たすことになります。

大事なワケとは?

セオリー・オブ・チェンジは一般的な社会的インパクト評価でも活用されますが、共有評価に関して言えば、よりその重要性は高まると言えます。なぜそう言えるのかを、3点解説します。

関係者の目線を合わせることができるから

共有評価の真髄は多くの関係者の意識や取り組みを束ねる所にあります。そのためには、それぞれの持っている情報を集めることが重要になります。しかし、何もない状態ではこれをすることはなかなか難しいものです。

そこで、同じフレームワークを使って議論をしていくことで、円滑に進めることができるようになります。言い換えれば、一種のファシリテーションツールとして活用できるということです。情報整理の見える化が関係者の積極的な参加や発言を促すことになります。

また、個別の組織の立ち位置を明確にして役割分担や連携のイメージを共有することにも繋がります。これにより、各自の事業をどのように連動させればより効果的なのかを考えることができるようになります。

指標の特定が容易になるから

既に解説した通り、セオリー・オブ・チェンジは指標を設定する上でも非常に便利なツールでもあります。とかく共有評価システムを作る場合、指標の設定で難航することが多いです。既にある共有評価指標を活用しようという場合は別ですが、ある程度自分たちで作ろうといった場合には起こりがちです。

セオリー・オブ・チェンジを活用すれば、同じプロセスを踏んで指標の設定を行うのである程度緩和できます。

社会課題に対する理解を深めることができるから

関係者を巻き込んで活用することで、各々が対象としている社会課題に対する理解を深めることもできます。最近の社会問題は複雑さを増しており、その原因を特定したり、いいアプローチを考えたりといったことも難しくなってきています。少なくとも1回で全てを明らかにすることはできないでしょうし、絶対的な正解は存在しないでしょう。

そんな中でも、このフレームワークを活用することで、何が原因なのか、そのために何をすればいいのかについて考えることもできるようになります。何度も何度もセオリー・オブ・チェンジを見直し改善に改善を重ねていくことで、次第にぼんやりしていた社会問題の輪郭が見えてくるようになるでしょう。

また、ここに専門家も含めて議論を進めていくといいでしょう。より広く深い学びができ具体的な事業に対していい影響を与えられると考えられます。

まとめ

今回は、共有評価システムを作るときにセオリー・オブ・チェンジがどれだけ便利かを解説しました。このフレームワークは社会的インパクト評価の一丁目一番地と呼ばれるほど、近年熱を帯びているものでもあります。

特に共有評価においては異なるバックグラウンドの組織同士で連携することも多いので、関係者の目線や意識を合わせ、指標設定の手間を減らしてくれるというメリットを最大限に生かして活用していきたいものです。