共有評価(シェアードメジャメント)を成功させるコツ、11選

2017-02-11

共有評価(シェアードメジャメント)は、社会的インパクト評価のプロセスや指標を共有することを指します。この取り組みを成功させようとしても、やはりが一筋縄でいかないことがほとんどでしょう。今回は、共有評価システムを作る際のコツを11個にまとめてみました。これらは「情報インフラ」「効果的な連携」「効果的な学習と向上」「評価の信頼性と質」の4つのテーマに分類しています。

まず、共有評価(シェアードメジャメント)とは

共有評価(シェアードメジャメント)とは、社会的インパクト評価のプロセスや指標を複数の組織間で共有するという考え方です。「Shared Measurement/共有評価がインパクトを加速させる」や「シェアードメジャメントの3つのモデル」でも詳しいことを解説していますが、より効果的な組織間連携や課題へのアプローチ、評価コストの削減などを促し、より大きな社会的インパクトを狙うものです。

共有評価は、グループやネットワーク、フランチャイズなどのもともと近い関係であった組織間でも、まったく異なる組織間でも導入される動きが世界中で起きています。特にコレクティブインパクトの必要条件になっていることからも、異セクター間での評価システムの共有は一層の注目を集めています。

十分に整ったインフラ

まず評価システムを共有するためには、十分な土台が必要なことは言うまでもありません。インフラストラクチャーに関わる点として以下の3つのコツが挙げられます。

複数年にわたって資金や人材を確保すること

共有評価システムを開発する時には、助成金や補助金等を活用することが多いようです。しかし、継続的な運用を考えた際、経済的な持続性を確保する必要があります。どのように持続性を確保するのかについては、ケース・バイ・ケースですが、複数の財団による資金提供や利用者から会費を集めるといった方法がとられているようです。

テクノロジーを効果的に活用すること

複数の組織間でデータの収集・分析・共有・報告を行う際、多くの場合ウェブ上で行われることが多いです。この場合、参加者にとって使いやすいデザインであることが必要です。

また、近年のテクノロジーの発展は目ざましいものがあります。特に、IoT(モノのインターネット)やビッグデータに関連するテクノロジーは社会的インパクト評価や共有評価にとって相性がいいと思われます。このようなテクノロジーを有効に活用することで、これまで収集できなかったデータを収集でき、より幅のある評価も可能にできるでしょう。確かにこのようなテクノロジーにはコストがかかるのも事実ですが、共有するという性格上、コストを共同で負担することも合意が取れれば可能でしょう。

専門的なコンサルテーションを提供すること

共有評価の利用者の能力が一律であることはあり得ません。能力の高い組織もあれば、低い組織もあります。なので、指標やデータを活用するための専門的なコンサルテーションが必要になるでしょう。このような取り組みは、共有評価を活用する組織の敷居を下げることができるので、より活発な連携を促すことも期待できます

効果的な連携関係

共有評価の価値はそれぞれの組織の努力や知見、情報を束ねてより大きな成果を目指すところにあります。そのためにも、効果的な連携関係を作ることは必要不可欠であると言えます。ここでのコツは以下の4点です。

初期段階で必要十分なメンバーを巻き込むこと

共有という以上、複数のメンバーの関与が必要です。そのメンバーを早い段階でプロジェクトに巻き込むことが有効です。理由は2つあります。1つ目は初期段階で各組織のニーズを集めるため。2つ目は共有評価システムの参加者が主体的に関わることが必要だからです。

明確な役割分担をすること

全く異なる組織間で連携する場合、役割分担を明確にすることも重要なポイントになります。開発段階では、誰がリーダーシップをとるのか、必要経費を誰が担うのかなどといったことがテーマになるでしょう。運用段階になれば、データの収集や分析を誰が行うのか等といったことがテーマになると考えられます。

情報の扱い方についてのコンセンサスを取ること

データの使い道や情報共有の範囲についてのコンセンサスをとっておくことも後々のトラブルを回避するために必要です。これは、プライバシーや透明性の問題にかかわることなのでしっかりと取り決めをしておくとよいでしょう。

既にある取り組みを活用すること

共有評価システムを作る際に何もすべてをゼロからする必要はありません。これでは効率が悪く成功率も下げかねません。

既に社会的インパクト評価やデータ収集等が各組織によって行われていれば、まずはそれらを活用することを考えた方がいいでしょう。そこに、共有評価の成果を組み合わせればより大きな成果を目指せます。

効果的な学習と向上のプロセス

ただ単にシステムに参加しているだけでは、効果は半減です。定期的なレビューや情報交換が必要です。ここでは、2つのコツを紹介します。

参加組織間で学習すること

システムを利用している組織間で学ぶことが必要です。プロセス全体や指標、システムの使い勝手などに関するピアレビューは欠かせません。このピアレビューを通して、対象としている社会課題についての理解を深めることができるでしょう。また、システムの参加者全体の能力を上げていく点でも重要な意味を持つと思います。

継続的な改善を目指すこと

当然と言えば当然ですが、共有評価システムのツールや構造に関しては、継続的に改善することが大切です。開発段階で100点を目指すより、40~50点のものを作って、改善を続けて100点を目指す方がより現実的です。

指標やその組み合わせに関しても、よりよい指標に入れ替えたり、組み合わせを変えたりといった点検を定期的に行うことも大切です。

評価の信頼性と質を確保すること

社会的インパクト評価を行う以上、その信頼性と質には十分注意する必要があります。ここではコツを2つ紹介します。

指標の数を増やしすぎないこと

共有評価は、多くの人に取って使いやすいものでなくてはいけません。そのためには、指標の数を増やしすぎないことも思ったよりも重要になります。

また、「割合」と同様に「実数」を使うことも信頼性を高める上で大切です。実数とは、何人とか何円といったいった実際にある数値のことです。実数の方が直接的に変化を表現できます。「割合」と「実数」を適度に組み合わせつつ、数をコントロールすることが大切です。

データ収集と報告の手続きを明確に定める

データ収集と分析結果の報告に関する手続きをできる限り明確に定める必要があります。役割分担とも関連しますが、どのようなプロセスでデータ収集から外部への報告や共有までを実施するのかを明文化することが重要です。

手続きを明文化することでプロセスが統一化され、ある程度質を確保することが可能になります。

まとめ

今回は、共有評価(シェアードメジャメント)システムを構築する際のコツをまとめました。結局のところ「シェアードメジャメント/共有評価、5つのメリット」で紹介したメリットと「シェアードメジャメント/共有評価を阻む課題とは」で解説した課題、「共有評価(シェアードメジャメント)システムの作り方」で解説しているステップに関連することなので、これらをしっかりと理解し進めていくことが重要だと言えます。