結構ある!社会的インパクトの3つの定義とは?

社会的インパクト評価とは「短期・長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的・環境的なアウトカム(成果)を定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加えること」と内閣府で定義されています。少し難しいですが、簡単に言えば「社会に対してどのくらい成果をあげることができたかを判断すること」になるでしょう。

しかし、実はここで言う社会的インパクトという概念には統一された定義がある訳ではありません。今回は、社会的インパクトの様々な定義を見ていきながら、その概念の大切さを解説していきたいと思います。

なお、ここではロジックモデルをベースに解説をしているので、あらかじめ「ロジックモデルって何?社会的事業の便利ツールを大解剖!」で内容の確認をしておくことをオススメします。

社会的インパクトの定義、その1

1つ目の定義

1つ目の定義は、社会的インパクトが成果(アウトカム)の先にあるタイプのものです。この定義の特徴は、アウトカムと社会的インパクトが分けられているということです。アウトカムはアウトプットの結果として期待される成果です。ということは、成果の先にある最終的な変化や波及効果のことを表しているということになります。言い換えれば、長い時間で考えた時の成果を社会的インパクトとしていると言えるでしょう。

社会的インパクトの定義、その2

2つ目の定義

2つ目の定義は、初期アウトカムから長期アウトカムまでを含めて社会的インパクトとするものです。この特徴は、アウトカムに時間軸を取り入れて時間的な経過を取り込んでいることです。時間を追うごとにどのように変化が起こっていくのか、ある成果が次の成果にどうつながっていくのか、そういったものも含めて社会的インパクトを定義しています。

社会的インパクトの定義、その3

3つ目の定義

3つ目の定義は、生じたアウトカムのうち純粋に事業やプログラムによるアウトカムを社会的インパクトとするものです。この定義の特徴は、何と言っても自分たち以外の主体による外部からの影響を取り除いて考えるということです。このようなものをネットインパクト(純粋なインパクト)と呼ばれます。今回取り上げている3つの中では一番厳密な定義の仕方です。

日本の社会的インパクトの定義はどれ?

今の所、日本の社会的インパクトの定義はすでに書いてあるように、「短期・長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的・環境的なアウトカム(成果)」となっています。これは、比較的2番目の定義に近いと言えますが、他の2つの特徴も含んでいる比較的大きな範囲で定義していると言えます。

広い定義は色々な人が関われる裾野の広さがある一方で、各自が好き勝手に解釈してしまう欠点もはらんでいます。特に日本では、内閣府の定義を元にしながら、自分たちの団体が社会的インパクトをどう捉えているのかを一度振り返ってみることも大切だと思います。

受益者がどうなることがアウトカム(成果)なのか

ここまで、3つの定義と日本の定義を紹介してきました。いざ考えてみるとどの定義にしても共通した言葉があります。そう、「アウトカム(Outcome)」ですね。アウトカムは成果と訳されますが、言い換えると対象としている受益者がどのようになることが望ましいのかということになります。

社会的インパクトがどんな定義であるのかに関しては、研究者や組織、国、地域によってまちまちです。しかし、対象とする受益者や彼らの環境がどう変わっていくべきなのかという視点は全てに共通するものであり、それこそが本質であると言えるでしょう。

まとめ

今回は、社会的インパクトの定義について解説しました。色々な定義の仕方があり、そこには思想や文化など様々な要因が存在します。ですが、受益者を中心にして、彼らがどうなることが成果なのかということを考えようとしている点では共通していると言えるのではないでしょうか。

参考文献

[1](一財)国際開発機構(2015)『社会的インパクト評価促進に向けた現状調査と提言』
[2]G8社会的インパクト投資国内諮問委員会社会的インパクト評価WG(2016)『社会的インパクト評価ツールセット実践マニュアル』