場合別!シェアードメジャメントの機能

2017-01-28

シェアードメジャメントは複数の事業間で社会的インパクト評価を共有することを言いますが、それぞれ同じような事業をしているのか、異なる事業をしているのかによって、シェアードメジャメントの働きは変わってきます。今回は、そんなシチュエーションによって顔を変えるシェアードメジャメントの機能について解説します。

シチュエーションの区分

まずシェアードメジャメントが活用できる場面について考えてみましょう。基本情報として「Shared Measurement/共有評価がインパクトを加速させる」も併せてご覧ください。

前提として、シェアードメジャメントは共通したゴール(目標)を設定するものでもあるので、似ている目標に向けて頑張っていることが挙げられます。

他にも、実施している事業が「類似しているのか」「異なっているのか」という基準も挙げられるでしょう。

ここで、異なる事業を行っている場合でも2種類あることを考えてみましょう。
東京に行くためには、新幹線を使ったり、車を使ったりできるように、特定の目標に向かって進んでいく方法は一つではありません。代替可能な手段が複数あるものです。このように代替可能な異なる事業があります。
例えば、子供の教育に取り組む際に個別指導をするのか、集団授業をするのかといったことが該当するでしょう。

しかし、異なっている事業を行っていても、どこかでつながっている場合もあります。大学入試で色々な科目を受けなくてはいけないのと同じように、複雑な社会問題にはあらゆる側面からアプローチしなくてはいけません。こういった意味では代替可能ではない異なる事業が存在します。
例えば、ホームレスを解消するために、職を安定させたり、住居を与えたりすることは互いに連動していなくては本質的にホームレスの解決にはなりません。コレクティブインパクトのコンセプトはこれに近いでしょう。

ここまでの話を整理すると場合分けは、以下のようにできます。
・似た目標に向かって似た事業をしている場合
・似た目標に向かって代替可能な異なる事業をしている場合
・同じ目標に向かって複雑な問題の異なる側面に対して事業をしている場合

このそれぞれのシチュエーションでシェアードメジャメントがどのように機能するのかをこれから解説します。

似た目標に向かって似た事業をしている場合

この場合、まずシェアードメジャメントによって、その事業が効果的であったかどうかが検証されます。また、他の環境や条件のもとではどうだったのかについての議論もできます。

地域や特定の集団を越えて、社会的インパクト評価による知見を共有することで、達成したアウトカムや社会問題についての理解度を向上させることもできます。これにより、それぞれの事業の質をあげていくことができるでしょう。

類似した事業を実施しているということは、その成果の違いはその組織の効率性やチームワークなどによるところが多くなります。効果的な組織マネジメントを実施する上でも、シェアードメジャメントを活用することは可能です。

似た目標に向かって代替可能な異なる事業をしている場合

この場合シェアードメジャメントの機能として一番大きいのは、どの事業が最も効果的であったかを比較できるということでしょう。また、違う条件下で実施された事業が効果的なのかどうかも検証できます。

この場合も同じく、地域や特定の集団を越えて、社会的インパクト評価による知見を共有することで、達成したアウトカムや社会問題についての理解度を向上させることもできます。これは特にどの事業の貢献度が大きいのかを考えることにもつながります。

同じ目標に向かって複雑な問題の異なる側面に対して事業をしている場合

まず全体としての目標の達成度を計測できます。加えて、各事業の目標への貢献度も検証できます。これらをモニタリングすることで、様々な要素が絡み合っている複雑な問題へのアプローチを改善しつつ、各事業の連携を考えることもできるようになります。

また、この場合のシェアードメジャメントでは、それぞれの事業で得た情報を共有することが重要になります。情報とは、受益者の特徴や色々な側面のデータ等を指しますが、これらを関係者間で共有することで、より効果的に対象とする複雑な社会問題の構造を理解し、取り組むことが可能になります。
こういった意味では、シェアードメジャメントは各組織間における学習を促しているといえると思います。

まとめ

今回はシェアードメジャメントが活用される場面別に、どのように機能するのかについて解説してみました。

シェアードメジャメント自体はとても強力なツールではありますが、その場面や文脈に応じて適切に使わなければ、そのメリットを引き出すことはできないでしょう。より大きな社会的インパクトを生み出すためにも、力をしっかりと引き出せるような使い方をしていきたいですね。

シェアードメジャメントについては、こちらの記事にも解説しています。
シェアードメジャメント/共有評価、5つのメリット
シェアードメジャメント/共有評価を阻む課題とは

参考文献

Yehonatan Almog, Jack Habib(2013)The Role of Shared Measurement in Collaborations and its Effective Implementation – What Have We Learned Thus Far?