ロジックモデルはどこまで作り込む?目指すべき完成度とは?

ロジックモデルは事業がどのように成果につながるのかの因果関係を可視化するフレームワークですが、いざ作ってみると「あれ?これってどこまでいったらいいの?」「正解ってあるの?」という疑問が湧いてきがちなものです。今回はロジックモデルをどのくらいまで作り込むべきなのかについて考えてみます。作成に関わっている人や考えている人はぜひ参考にしてみてください。

ロジックモデルはどこまで作り込むべきか?

ロジックモデルは、事業やプログラムが受益者にどのように繋がっていくのかの因果関係を可視化したものです。概ねこんな感じになります。

ロジックモデルの基本形

とはいえ、どこまで作り込むべきなのかについては、多くの人が直面する問題だと思います。

ロジックモデルの軸

そもそもロジックモデルには多くの軸があり、それが話が拡散してしまう原因だと思われます。

  • 受益者軸

受益者は、実際に利益や便益を受ける人のことを指します。ロジックモデルが作成される文脈では、社会的な事業の受益者をどのように設定するのかが最初の関門です。対象とする受益者も増やそうと思えばいくらでも増やせてしまいます。例えば、子供たちの教育問題などに取り組んでいる場合、子供たちがどのような子供たちなのかについて考えられ、また、子供を取り巻く親や兄弟の家庭環境や地域住民、学校、教師、学校の友人などなどどこまでも広がってしまいます。

  • 時間軸

多くの場合、10年くらいのスパンで考えるようですが、それも事業や受益者によって異なります。特に、子供への支援や環境問題などはどうしても時間軸がとても長くなる傾向にあります。時間軸が長くなれば、その分ステップが多くなり不確定要素も多くなります。

  • マクロ・ミクロ軸

マクロ面で言えば制度や文化といった側面が、ミクロで言えば個人レベルや特定の地域といった側面があります。

どこまで作り込むか、それが問題だ

ここで挙げた3つの軸だけでもそれぞれ緻密に幅広く考えていけば、どこまでも果てしない議論が巻き起こるでしょう。しかし、関係者を集めるのも大変で、時間もかかってしまうので現実的ではありません。そもそも社会課題の構造自体その因果関係を明らかにするのはかなり骨の折れる作業で、答えが出るかどうかも分からないものですらあります。

このようなことからも、ロジックモデルを作る際によく問題になるのは、どの程度の完成度を目指すべきなのかというところなのです。

どのようにロジックモデルを活用したいのかが大事

ロジックモデルは作ってそれで終わりというものではありません。活用してなんぼです。

ロジックモデルの活用場面

活用される場面としては以下のようなものがあります。

  • 社会的インパクト評価(成果評価)
  • 事業計画立案
  • マネジメント
  • ファンドレイジング
  • コミュニケーション

社会的インパクト評価とは?基礎知識を徹底解説!」でも解説していますが、社会的インパクト評価のプロセスではロジックモデルは必須です。ロジックモデルを使って成果の定義をしなければ、指標化も評価デザインも考えることができないからです。他にも、事業計画を策定したり、ファンドレイジング(資金調達)に活用されたりもします。

60点くらいの完成度で構わない!

結局のところ、ロジックモデルはあくまでツールです。100点満点のまだ見ぬロジックモデルよりも、60点の未完成なロジックモデルの方がずっと価値があります。

では何を持って60点とするのか?
それは、そのロジックモデルを見る人が知りたい情報が押さえられてるかということではないでしょうか。例えば、社会的インパクト評価で使う場合、重要な成果指標が分かればいい訳です。寄付する人に説明するためであれば、寄付がどのように受益者に繋がっていくのかが分かればいいので、重要な受益者の部分を中心に作ればいいでしょう。事業の改善につなげたいのであれば、本当に大切にしたい受益者の部分を作ればいいでしょう。

そして、もしも見落としや学びがあった時にその部分を順次、付け加えればいいのです。自分たちと相手にとって大事な部分をしっかりと選ぶということが重要です。

まとめ

今回は、ロジックモデルを作る際に、どれくらいの完成度を目指すべきかを解説しました。これについては正解があるものではありませんが、少なくとも完璧を求めすぎて使えないよりも、そこそこのクオリティのものを使い倒す方がよっぽど価値があるはずです。

ロジックモデルについては今後、いろいろなプレイヤーが作成するようになってくると思われます。それに連れて、たくさんの学びや失敗が積み重なっていくはずです。これからどのように活用されていくのか期待されます。

ロジックモデルについては、こちらの記事もご覧ください。
【ロジックモデルの急所】アウトカムとアウトプットの違いとは?