評価ツールの双璧!ロジックモデルとセオリーオブチェンジは何が違うの?

社会的事業を支援するために多くのフレームワークが紹介されていますが、その中でも「ロジックモデル」と「セオリーオブチェンジ」は特に有名になってきています。ところで、これら2つのツールはよく見てみると似通っているところも多々あります。いったどういったところがちがうのでしょうか?

ロジックモデルは因果関係を考えるもの

ロジックモデルは、行っている事業やそのために必要な人材や資金などの資源がどのように成果につながっているのかを可視化するためのフレームワークです。行政評価(プログラム評価)では、セオリー評価というものを実施するために活用されてきました。これは、行われている政策・事業がその後に繋がる成果に対して因果関係がちゃんと成立しているのかを評価します。

基本的にはインプット(人材や資源などの資源の投入)、アクティビティ(活動)、アウトプット(結果)、アウトカム(成果)、インパクト(社会的な波及効果)の5つの要素から成り立っています。

ロジックモデルの概観

しかし、特にアウトカムやインパクトに関しては、時間軸の取り方や社会的インパクトの定義によってある程度バリエーションがありますが、概ねこのような形になります。

セオリーオブチェンジの復習

セオリーオブチェンジは、目指すべき大きな目標の達成に向けてどのような中間目標や具体的な事業が必要かを可視化するフレームワークです。

大きな特徴は、目指すべき大きな目標からどのような事業が効果的なのか、どんなプレイヤーと連携すべきなのかといったことを逆算して考えるところにあります。逆算して効果的な事業を考えることで、先入観やそれまでの慣習に振り回されずに考えることができます。

確認?仮説?

ロジックモデルとセオリーオブチェンジは何が違うのでしょうか?また、どのように使い分けるといいのでしょうか?

ロジックモデルは、事業の成果や効果を確認する

ロジックモデルは、行政評価特にセオリー評価という文脈で使われてきました。セオリー評価という名前からもわかる通り、何かの事業が想定している成果をあげられるのかについてロジックがしっかりできているかを確認するために使われてきました。少し詳しく書くと、プログラムの開発段階と実施段階では、ロジックモデルの活用法は少し変わってきます。開発段階ではロジックモデルの作成を通して、実施段階では点検を通して活用されます。

このように、具体的な事業から抽象度の高いところへ積み上げていくように考えるので、ボトムアップ型の思考回路になります。そのため、ロジックモデルでは、「何故ならば(that’s why…)」という問いが中心になっています。

セオリーオブチェンジは、事業の仮説を立てる

一方、セオリーオブチェンジは比較的新しいフレームワークで、想定している目標を達成するためにどんな事業がいいのかを考えるために使われています。抽象度の高いところから具体的なところへ掘り下げていく考え方なので、バックキャスティング型の思考回路になると思います。セオリーオブチェンジでは、「それならば(So what…)」の問いが中心になっています。

あくまでツールなので使い方次第

最近では、ロジックモデルを作成しようというワークショップが各地で開催されたり、セオリーオブチェンジを日本に広めたいといった動きが起こったりと、どんどん活発になってきています。

ロジックモデルを作成する際に、ゴールや長期的なアウトカム、インパクトといった部分から考えていくことが多いようです。考え方としては、セオリーオブチェンジとよく似ています。どちらが正しいというわけではなく、どのようにツールを使うかによってかなりバリエーションが増えていくものなので、結果として使いやすい考え方をすればいいのだと思います。

まとめ

今回は、最近日本でも盛んに活用され始めている「ロジックモデル」と「セオリーオブチェンジ」の違いについてまとめました。目的や特徴の違いがあるものの、どちらもとても便利なツールなので積極的に使ってみるといいと思います。

参考文献

[1]東信男(2005)プログラム評価の手法と総合評価の実施状況」『会計検査研究』第31巻, pp.253-275.