シェアードメジャメント/共有評価、5つのメリット

2016-10-20

シェアードメジャメント(Shared Measurement/共有評価)がいかに重要であるということについては、「Shared Measurement/共有評価がインパクトを加速させる」で解説しました。今回はシェアードメジャメントが具体的にどのようなメリットを持っているのかについて解説します。

比較ができる

シェアードメジャメントのメリットの一つとして、比較ができるということが挙げられます。シェアードメジャメント/共有評価は「社会的インパクト評価を共有するコンセプト」ですが、同じ社会的インパクト評価の手法や指標、ツールを利用することで、同じ条件の下で各組織の生み出したインパクトを測定できます。これによって、どの組織がより成果を出しているのかや、どのやり方がいいのかなどといった比較が可能になります。

また、比較ができることで、資源を提供する側にとっても大きなメリットがあります。
例えば、資金の出し手にとってみれば、複数ある支援先のうちどの組織がうまく成果を上げているのか知れることで、より成果を出せるところに資金を集中させることができるようになります。これによって、社会的インパクトの創出を加速させることが可能になります。

社会的インパクト評価を標準化できる

標準化とは、複数の要素間で仕様やプロセスを統一することを指します。

標準化の威力は、コストの削減ができることにあります。
言い換えれば、シェアードメジャメント/共有評価によって、各団体が個別に指標を設定したり、データを集めたりといった社会的インパクト評価に関わるコストを削減することができるということになります。これによって、社会的インパクト評価を実施する能力や余力のない組織でも実施することが可能になります。

また、標準化によって、信頼性やアカウンタビリティ(説明責任)の向上も期待できます。
各自がバラバラなやり方で社会的インパクトを測定していると、そのクオリティにばらつきが出てしまいます。質がばらついてしまうと、社会的インパクト評価自体の信頼性に疑念を持たれかねません。信頼感のない状態では、どれだけいいことを言っていても、説明責任を果たしきることは難しいでしょう。

社会課題の構造の理解促進

シェアードメジャメント/共有評価を実施していくにあたって、多くの関係者との協議が必要になります。この過程において、何を指標として活用するのか、だれにとっての事業なのか、といったような点を詰めていく必要があります。このような議論は、解決を目指す社会課題の構造を理解することに繋がります。

また、シェアードメジャメント/共有評価を活用すると、設定されている指標の構成や活用するガイドラインの活用といった過程の中で、どのような構造を前提として社会課題を解決しようとしているのかを理解することもできるでしょう。

相互学習が可能になる

比較が可能になるという点と重なる部分もありますが、シェアードメジャメント/共有評価に参加している組織間で相互に学び合えることができる点も挙げられるでしょう。

シェアードメジャメント/共有評価によって、何がうまくいって、何がうまくいかなかったのかといった成功例と失敗例を共有できるようになります。これが各組織の事業の改善や意思決定にいい影響を与えることに繋がります。

相互学習については、「インパクトを加速させる、コレクティブインパクトとは何か」で解説したコレクティブインパクトでも重要視されています。このことからも分かるように、複雑な社会課題を解決するためにはあらゆるプレイヤーの参加に加えて、プレイヤー間での学び合いが必要になってくるということでしょう。

モニタリング、ベンチマークが可能になる

社会的インパクト評価全体にも関わることですが、指標を作ることでモニタリングが可能になります。
シェアードメジャメント/共有評価で共通した分野へのインパクトを継続してモニタリングすることで、全体として大きな成果をあげられるようにコーディネートすることが可能になります。

また、他の組織の成果と比較することで自分たちの事業のベンチマークとすることもできます。

このように具体的な情報・データを基に、自分たちの目指す目標への進捗を把握することは非常に重要だと思います。

まとめ

Shared Measurement(シェアードメジャメント/共有評価)のメリットについて5つ取り上げてみました。

切り口を変えれば、もっといろいろ出てくるかもしれませんが、いづれにしても「共有する」という点と社会的インパクト評価の「客観性」という点によって特徴づけられることになるでしょう。

Shared Measurement(シェアードメジャメント/共有評価)はここで紹介したようなメリットによって、幅広い組織や研究者、実践者によって注目を集めています。今後これらのメリットをどのように生かしていくのかに期待が寄せられます。