セオリーオブチェンジは戦略策定の必需品!

セオリーオブチェンジというツールが現在ソーシャルセクターを中心に注目を集めています。これは、社会的インパクト評価を考える上でとても便利なフレームワークなのですが、果たしてどのように活用されるのでしょうか?今回は、セオリーオブチェンジについて解説します。

セオリーオブチェンジとは?

セオリーオブチェンジ(Theory of Change/変革理論)とは、社会問題や社会的ニーズの構造を理解した上で、自分たちの組織の人材や資金をどのように活用すればいいのか、どのような外部資源が必要なのかを考えるために使われるフレームワークです。

社会的インパクト評価に注目が集まるようになるにつれて次第に知られるようになってきました。ロジックモデルと呼ばれるフレームワークとの合わせ技で使われることも多いです。

発祥は?

セオリーオブチェンジはもともと慈善団体や社会的企業が実施している社会サービスの実績評価(社会的インパクト評価)のために発達しました。社会的インパクト評価の際に使われるツールとしてロジックモデルも有名ですが、セオリーオブチェンジの方が歴史が浅く新しいフレームワークです。

近年の実際の社会問題は複雑(Complex)なものになっています。複雑な社会問題の様子を整理し理解するためにセオリーオブチェンジが活用されるようになったのです。

どのように作成するの?

セオリーオブチェンジを作るためには、社会のことと自分たちのことの両方を見つめなければなりません。そのため、本格的に実施しようとすると多くのステップを踏む必要がありますが、大きくまとめると以下のようになります。このステップはNPCという非営利コンサル組織が発表しているものをベースにしています。

1、自分たちの組織の究極的で明確かつ現実的な目標を設定する。

2、1で設定した目標から中間的な成果目標を逆算して設定していく。

3、2で設定した中間目標の相互関係や達成する順番を因果関係を意識しながら設定する。

4、3で設定した目標にどの事業がどのようにつながっているのかを明確にする。

5、4で明確になった事業を実施するにあたり他に必要なものがないか明確にする。

基本的にこのような手順で作成されますが、もっと細かくステップを踏むものもあり、時間や人材、コストなどの制約条件に合わせて使い分けられるようです。

セオリーオブチェンジのメリットって?

セオリーオブチェンジを作成するメリットはどんなものがあるでしょうか?大きく分けると以下の3つに集約できそうです。

戦略を立てられる

作成のステップを見ればわかるように、ゴールを先に決めてバックキャスティング(逆算)して作成しています。つまり、現状の手持ちの資源がどうかということよりも、最終目標の達成のために何が必要なのかを先に考えています。このような考え方は自ずと戦略的な考え方をすることに繋がります。

また、セオリーというワードがついているだけあって、どのような事業でどんな目標をクリアすれば究極的な目標を達成できるのかというある種の理論を考えています。この理論は仮説であり、仮説を実証するために事業を実施しているともいえるでしょう。

最も重要な点として、根拠(エビデンス)をもとにしているということがあります。理論は根拠に基づいていなければ、ただの妄想です。セオリーオブチェンジを作成する際には、データをとるなり専門家の協力を得るなりして裏どりをしなければいけません。逆にこれができれば、非常に強力なツールになることは間違いありません。

成果の評価ができる

発祥のところでも紹介しましたが、セオリーオブチェンジはもともと成果評価を行うために開発・改良されてきたフレームワークです。

このフレームワークを使えば、必要な成果目標を特定し構造化することが可能になります。
これにより日ごろの事業がどのくらいの成果をあげればいいかをはっきりさせられると共に、その成果がどのように最終目標とする社会的インパクト評価に繋がっているのかを認識できるようになります。

また、成果指標をモニタリングすれば、究極的な最終目標への進み具合も把握することも可能です。人間だれしもゴールの見えないマラソンは長続きしません。最終的なゴールに対して今どのあたりにいるのか?どのようにすれば近づけるのか?を逐一確認しながら進む必要があるのです。このことが、結果としてより大きな社会的インパクトを生み出すことにつながるのです。

ポジショニングが可能になる

セオリーオブチェンジを作成すると、大局的な捉え方が可能になります。この一番のメリットは、自分たちの組織の枠を超えて物事を俯瞰的に見ることができることでしょう。

複雑(complex)な問題の解決には、多様な主体がそれぞれの角度から連携しつつ事業を進めていく必要があります。これを実現するためには自分たちが社会課題のどの側面に対してアプローチしているのかというポジショニングを明確にしなければいけません。

ポジショニングを明確にすれば、自分たちの事業のオリジナリティがはっきりするので、ファンドレイジングや連携の働きかけ等にいい影響を与えます。

まとめ

今回はセオリーオブチェンジについて解説しました。

戦略的に事業や達成目標を考えるのに、とても便利なフレームワークであると言えます。大切なツールだと思うので、今後このフレームワークを使った事例や具体例についてもまた紹介していきます。