Shared Measurement/共有評価がインパクトを加速させる

2016-10-21

社会的インパクト評価とは」で社会的インパクトとその評価について解説しました。実はこの社会的インパクトの活用方法のひとつとしてシェアードメジャメント/共有評価が注目を集めています。一体これは何なのかについて解説していきます。

Shared Measurement/共有評価の解説の前に

2011年に「Collective Impact」というテーマの論文を発表しました。この論文では、コレクティブインパクトというコンセプトについて分析しているものであり、今回のShared measurement(シェアード・メジャメント/共有評価)という言葉もその中に登場しました。

インパクトを加速させる、コレクティブインパクトとは何か」でもコレクティブインパクトの概要について解説しています。

Shared Measurement/共有評価はコレクティブインパクトの要素の一つ

コレクティブインパクトとは、比較的長い期間に渡って、あらゆる分野のプレイヤーが連携し共通のアジェンダや評価システムのもと特定の社会的課題の解決を目指す手法のことです。

近年の社会的な課題は、複雑で単体の組織のがんばりのみでは太刀打ちできなくなってきています。また、根本的で本質的な解決を目指す場合はなおさらです。このような状況においては、コレクティブインパクトのアプローチは非常に重要であると言えます。

コレクティブインパクトの5つの必要条件

コレクティブインパクトを成功させるための必要条件として以下の5つが挙げられています。

・Common Agenda(共通のアジェンダ)
・Shared Measurement System(共有評価の仕組み)
・Mutually Reinforcing Activities(相互強化の取組)
・Continuous Communication(継続的なコミュニケーション)
・Backbone Support Organization(バックボーン支援組織)

この5つのうち、Shared Measurement System(シェアードメジャメントシステム)は特に重要だとされています。

Shared Measurement/共有評価は特に重要

コレクティブインパクトにおいてシェアードメジャメントが大切だとはいうものの、果たしてシェアードメジャメント/共有評価とはどのようなものでしょうか?また、シェアードメジャメント/共有評価が必要とされる背景には何があるのでしょうか?このあたりを詳しく見てみましょう。

Shared Measurement/共有評価の定義

シェアードメジャメント/共有評価は、「似ている社会課題や目標に向けて事業を行っているプレイヤー同士で、社会的インパクト評価を共有するプロセスとプロダクト」であるとされています。

プロセスとは、指標を含め何をどう評価するのかといった部分を異なる組織間でシェアする過程のことを指し、共有する組織の範囲を広げ関係性を作ったり、仕組みを作るためにリソースを持ち寄ったりといったアプローチ全体を含めます。

また、プロダクトとは、社会的インパクト評価を共有するにあたり、利用されている指標や情報技術のようなツールのことを指します。

ちなみに、シェアードメジャメント/共有評価は、他にもshared outcome、shared outcome framework、outcome banksなどいろいろな言い方があるようです。

Shared Measurement/共有評価の背景

シェアードメジャメント/共有評価が求められる背景には、社会的インパクト評価が普及してきたという点が挙げられます。

同じような社会的な課題を解決するために多くの組織や個人が事業をしていますが、それぞれが異なる評価基準で社会的インパクトを測定するようになりました。

これによって、同じ課題に取り組んでいるにも関わらず、自分たちの事業がうまくいっているのか、支援先の事業がうまくいっているのかといったことが、他の組織や個人の事業と比較できないといった状況になっています。これでは業績評価や連携に支障が出てきます。そんな中で、複数の組織で社会的インパクト評価を共有するといった動きがでてきました。

なので、シェアードメジャメント/共有評価も、同じ組織内の異なるプロジェクト間で用いられたリ、異なる組織間で連携した事業で使われたりと幅のある使われ方をしています。

とはいえ、日本ではまだ社会的インパクト評価自体がまだ普及していないので、一概には言えません。ですが、日本でも少しずつ社会的インパクト評価が普及するようになってくれば、同じようにシェアードメジャメントが求められるようになるでしょう。

まとめ

今回はShared Measurement/共有評価について解説しました。
複数の異なる組織間で社会的インパクト評価を共有するという試みは、色々な面で使われ始めたものではありますが、まだまだ発展途上です。今後の発展に期待が寄せられます。