NPOにお金がないシンプルな3つの理由

民間の非営利組織にはお金がないということは残念ながら世間一般でよく言われている事実です。でも、いざよく考えてみるとなぜ非営利組織にはお金がないのでしょうか?うまく行っている団体もある一方でなぜうまくできていない団体もあるのでしょうか?今回はこの理由を、

  • 認識されていないから
  • 予算ありきの事業
  • 経営の不在

の3つで整理して解説してみました。

(理由1)そもそも認識されていないから

非営利組織の場合、サービスの受益者としてや、寄付・会費やボランティアで支援する支援者など様々な人たちがいろいろな形で関わっています。そして、彼らが関わることで非営利組織は運営していくことができます。

しかし、これらの参加の仕方や原理があること自体知らない人が多いのではないでしょうか。非営利組織自体の実態や構造の認識が進んでいないことで、そもそも支援ができるということを知らないということが非営利組織に資金が届かない理由の一つだと考えられます。

ぬぐいきれない胡散臭さ

非営利組織と聞いてピンとくる人が少ないのと同時に、「信用に足る組織なのか?」「適正な運営がされているのか?」といった不信感に似た感情を抱く人が多いのも事実でしょう。非営利組織は多くの場合、誰でも設立することができます。その一方で、組織の体をなしていないことや不正を行っている場合も残念ながらあります。このようなことから、胡散臭さを感じてしまい、進んで支援をしたいと思わないということも原因の一つではないでしょうか。

(理由2)予算ありきで事業をしているから

行政では議会によって年度予算を決定してどのような政策や事業にどのくらいのお金をつけるのかを決定しています。これは税金を税源にしている行政機関である以上、その税金を適切に公正に使うことが求められるからです。

しかし、民間の非営利組織でもこれに似たプロセスで事業にかけるお金を決定して実施しています。これは、企業がどのくらい利益を上げてそのためにどこに資金を投入すべきかを考えていることの逆をいっていると言えます。それ自体には良い悪いはないのですが発展性を考えた時少し心もとないと言えます。

委託収入や助成金に頼っている

非営利組織は委託収入や助成金などに事業の財源を頼っている場合が多いです。これらの財源の特徴は最初に予算を決めることにあります。言い換えれば、最初の段階で「〇〇円でこれだけのことをします」という申請をして、採択されたら申請した金額が受け取れるということです。逆の見方をすれば、申請した内容以外では基本的に資金を使えないので、ちゃんと使い切ることに意識が向けられます。これでは、将来発展していくはずの事業に資金や人材を割くことがなかなかできません。なので、これらの財源を活用するには、しっかりとした将来的な見通しを持った上で活用する能力が求められているのです。

また、委託収入の別の見方として単価が決まっていることも重要です。基本的には収益とは「単価×個数」です。その単価が決まっているということは個数を増やすしか収益を増やす方法はありません。しかし、対応できる能力には限界があるので、個数を増やすことにも限界があります。おまけに非営利組織はマンパワーが少ないことが多いので、余計に難しいという状況になっています。そのため、頑張れどもやれども収益が増えず苦しい状況が続いてしまうことになりがちなのです。

ここに異議を唱えるのがソーシャルビジネス

ムハマド・ユヌスが提唱したソーシャルビジネスというコンセプトはここで挙げた非営利組織が抱えている課題を克服して企業と同じように事業を発展させていこうとするものです。ソーシャルビジネスは簡単に言えば、「行っている事業から事業にかかったコストを回収するもの」です。つまり、委託や助成金などのように事業にかかるコストを外部に依存するのではなく、実施している事業から直接コストを回収するのです。これによって、よりクリエイティブに事業を発展させていく方向で頑張ることができるという考え方です。

(理由3)経営がないから

経営がないというのは、将来的な見通しに沿って計画的に人材育成や資金計画を行なっていないということを表しています。現在、多くの非営利組織では高齢化が進んでおり、継承がうまく行かないことが問題になっています。NPO法が施行されたのが1998年なので、ある意味第1世代が引っ張ってきたものの約20年経った今、それを引き継ぐ人材をちゃんと育てられた組織が少なかったと言えます。

資金面でも、どんぶり勘定で計画性のない使い方をすることで、財務面で逼迫してしまうという現実に直面している場合も多いです。社会課題をなんとかしたいという気持ちはもちろん大切ですが、それを実現するための計画や資金や人材をどうマネジメントするかという点も同じくらい大切なことです。

このような問題意識から、最近の日本で誕生しつつある新世代の非営利組織は経営手法やマインドを持って経営しているところも多くなってきました。将来を見据えて計画的に戦略的にどう資金を活用していくのかや人材を育成していくのかを考えるようになったのです。

 

 まとめ

今回は、民間の非営利組織になぜお金がないのかを考えてみました。

  1. そもそも認知されていないから
  2. 予算ありきで事業をしているから
  3. 経営がないから

の3つの理由を挙げてみました。

深く考えていくともっとたくさん出てくるかもしれません。しかし、いづれにしても、非営利組織が抱える構造的な問題が大きく影響を与えているのではないかと言えます。とは言え、理由がわかれば、どうすれば良いのかということも見えてくるので、どう取り組めばいいのか考えられそうですね。