ファンドレイザーって何者?お金を集めるだけが仕事なの?

ファンドレイザーとは、事業の維持・拡大に必要な資金を調達し、目的の達成を支援するプロフェッショナルのことを指します。しかし、彼らの役割はファンドレイジング(資金調達)に限らず、支援者や資金提供者を巻き込む非常に大きな役割も担っています。今回は活躍のフィールドが徐々に広がっているファンドレイザーについて解説します。

ファンドレイザーが調達するのはお金に限らない

ファンドレイザーの第1の役割は、ファンドレイジング、つまり資金調達です。特に社会的な事業では、資金を調達することによって、団体の事業を維持し拡大していくことを支援します。寄付の市場規模が日本の10倍と言われているアメリカでは、ファンドレイザーの認知度は高く、その報酬もかなりのものになっているといいます。それだけ、社会的な事業にとって要になる人たちということですね。

市民を巻き込む立役者の1人

ファンドレイザーはファンドレイジングを通して市民を巻き込みつつ、社会課題の解決に貢献したり、意義のある活動を支援したりするという役割を持っていると言えます。

ですが、お金を集める(ファンドレイジング)だけがファンドレイザーの仕事ではありません。いうのも、寄付をしたり投資をしたりする人は何がしかの理解や共感をするからこそ、そのような行動にでるものです。ボランティアの参加を促したり、継続的なコミュニケーションをとったりといった仕事もこなします。このような意味では、ファンドレイザーは、広報担当でもあり、コーディネーターでもあると言えます。

ファンドレイザーへの期待

プロのファンドレイザーも増えてきている

ファンドレイザーが活躍する場面は思ったよりも多いです。特に社会的な意義を重視するフィールド(基礎研究やNPOなど)ではファンドレイザーの存在は重要担ってきています。

例えば、再生医療で大注目のiPS細胞の研究を行っている京都大学iPS細胞研究所。山中伸弥教授が発見してから一気に注目が集まりました。しかし、iPS細胞に限らず、研究(特に、基礎研究)にはお金がかかりますがすぐに採算の取れるものは少ないので、常に資金難の状態です。そんな中でファンドレイザーが活躍をしています。先ほど紹介した京都大学iPS細胞研究所でもファンドレイザーが、多くの寄付を集めているようです。

もちろん、NPOのようなソーシャルセクターでも団体の事業を資金面から支援するために、ファンドレイザーが資金調達を行うことも増えてきました。NPOの場合、社会課題の解決が第一のミッションになります。そのため、ファンドレイザーの仕事も課題解決のための寄付や会費を調達し財源を確保することとなります。その際、支援者との共感を醸成しながら少しずつ輪を広げていきます。「寄付先の選び方を知って、最高の寄付をしよう!」でも書いてあるようなことを一つひとつ押さえながら、支援者の満足度も高めつつ、ボランティアなどのお金以外の支援も引き出す役割も担っています。

このようなフィールドでファンドレイザーが活躍していますが、どちらにしても大学やNPOのソーシャルセクターなどの財源を取り巻く環境が大きく影響を与えています。大学やソーシャルセクターの財源の多くは期限付きであることが多いです。助成金、委託収入、補助金などは単価も期限も決められているので、それだけでは長期的なスパンで事業を進めていくことが非常に困難であることが多いです。このような意味でもファンドレイザーが寄付や会費といった長期的に活用できる資金源を確保することは大切です。

まとめ

今回は、ファンドレイザーとは何者かについて解説しました。
ファンドレイジングをするだけでなく、コミュニケーションを通して支援者を巻き込み事業を支援するというとても重要な役割を担っています。また、多くのフィールドで活躍されるようになってきましたが、より長期的な視点を持って共感を起こしていくことが求められています。これからもファンドレイザーの力が発揮され、活躍されることが期待されています。

参考文献

[1]京都大学iPS細胞研究所 公式ウェブサイト
[2]認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(2015)『寄付白書2015』