ソーシャルファイナンスとは?

2016-12-14

金融と言えば、どんなイメージを持つでしょうか?金融やファイナンスと言えば企業に対して、資金を投資したり貸したりして最終的に金銭的にリターンが返ってくるものといったことを想像する人も多いのではないでしょうか。

実はこのファイナンスの考え方が、社会的価値を生み出そうとする領域でも活用されるようになってきました。今回はそんな話題について紹介します。

ソーシャルファイナンスという新境地

ソーシャルファイナンスとはざっくり言うと、「社会的価値を生むための金融」ということができるでしょう。書籍や論文によっては、「経済的リターンと社会的リターンの両方を同時に追求するファイナンス」や「社会的な課題に関連して、金融サービスを行う社会性を有する金融」としています。

とはいえ、その範囲や定義についてはまちまちなのが実情ですが、兵器を開発している企業には投資しないといったやり方から、積極的に社会的なリターンを求めていくやり方まで様々です。

対象になる組織

ソーシャルファイナンスの対象となる組織は、企業のような営利組織から非営利組織、その間にあるような社会的企業まで様々です。一番大切なポイントはどのように、そしてどのくらいの社会的価値を創りだすのかという点です。

そして、社会的価値を創りだすことと同時に、経済的な価値(リターン)も追求することもあります。

社会的インパクト評価との切っても切れない関係

ファイナンスにあたって、何が基準になって資金が流れるのかという点がとても重要になります。そのとき大きな意味を持つのが、社会的インパクト評価です。

社会的インパクト評価とは』でも紹介したように、どのくらいの社会的な成果を上げることができたのかを評価しようという流れが大きくなってきました。ソーシャルファイナンスでは、その社会的インパクトを基にして資金が流れていくように取り組まれることがほとんどです。このように、ソーシャルファイナンスと社会的インパクト評価は切っても切れない関係にあるのです。

ソーシャルファイナンスの手法は様々

ソーシャルファイナンスの対象となる組織はいろいろであると紹介しましたが、組織の仕組みに合わせてあらゆる手法が必要になります。例えば、非営利組織は株式を発行しないのに、「あなた方に投資をしたいから株式発行して」ということはナンセンスですよね。原理原則のレベルで不可能なので…

ですので、対象となる組織に応じて様々な手法が開発されています。そのうちのほんの一例ですが紹介します。

寄付・助成

これは言わずもがなですね。特にNPOや社会的企業の財源としてメジャーです。寄付には募金箱や街頭募金の寄付のような形ものから、マンスリーサポーターのような会員になることで寄付をするものまで様々です。最近では、寄付した後に申請することで、税金が安くなるという制度も活用されるようになってきました。

助成金は、主に民間の財団などによる支援性の高い資金です。助成を受けたい組織が申請を出して審査されて助成が決定されるということがほとんどです。

準株式(Quasi-equity)

一般的に株式というのは、組織があげた収益を分配することにより投資家が利益を得ます。また、株式を持つことでその組織の所有権も持つことができることが一般的です。

しかし、準株式は収入に連動する形で投資家へ支払うようになっており、これにより投資家が投資先の組織の将来の収益から利益を得ることができるものです。また、株式のように所有権を持たされないことが普通です。

ベンチャーフィランソロピー(Venture philanthropy)

ベンチャーフィランソロピーは、ベンチャーキャピタルのモデルを活用したファイナンスのスタイルです。

寄付や債券、株式などのあらゆる手法を組み合わせたファイナンスを行うと同時に、組織のマネジメント支援や社会的インパクト評価のサポートを行ったりします。

このことについては、「ベンチャーフィランソロピーとは」で詳しく解説しています。

社会的インパクト債(Social Impact Bond)

ここまで紹介してきた手法とは少し毛色が違いますが、官民連携の新しい形として、世界中で広がりを見せています。省略してSIBと呼ばれることも多いです。

ざっくり説明すると、ある組織があげた成果に応じて行政から投資家に資金が支払われる仕組みです。投資家はまた資金をいずれかの組織に投資できるようになります。行政がやるよりも効率よく社会サービスを提供できる上、結果として行政の支出が自分たちでやるよりも少なくてすむことが期待できるやり方です。

日本でも、神奈川県横須賀市、福岡県福岡市、兵庫県尼崎市でパイロット事業が立ち上がるなどの動きがあり、今後注目の手法の一つです。

まとめ

ソーシャルファイナンスは、社会的価値を生み出すための金融ですが、民間による資金の流れをつくりだすことにそもそもの意義があります。民間による資金の流れができることで、より民間が主体となって社会的価値を生み出す動きがさらに活発になることが期待されています。